週末

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まだかかりそう。 ごめん 一人で帰れるか? ゆうすけからのメールに「大丈夫よ」と薫は苦笑する。 放課後の職員室。 残っている生徒も先生もまばらになる時間帯。 薫は来週の準備を終え、帰路につこうとしていた。 「柴崎先生。たまには食事でもいかがですか?」 斜め向かいの席の長宗我部先生は待ってましたとばかりに声をかけた。 薫もとい、柴崎先生はいつもの笑顔で答えた。 「すみません。先約があるので。」 「そ、そ、そ、そうですか・・・ では、また来週。」 がっかりと顔に書いたような表情の長宗我部先生に柴崎先生は全く気付いていない。 それもいつものこと。 彼女が新任でやってきた10年前から。
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