約束の日

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睦月 光(ムツキ コウ)と名乗る男は、ポケットの中から 古びた紙を取出して、こう続けた 「これに導かれてね」 いつも通りだと思っていた日常が、何もないと思っていた日常が、変わりそうな気がした。 「こんなことってあるのか…」 俺は聞こえないくらい小さな声でいった。 今余計なことを考えるのはやめよう。 あの男は泥棒ではない。 あの男は本当のことを言っている。 あの男は… あの手紙を持っている! 俺の書いた 未来への手紙が 未来に届いていたのだ。 しかも、俺の子孫がその手紙を持って現れてくれた。 約束の日に…!! 外からは 学校帰りだろうか、はしゃいでいる子供達の楽しそうな声が聞こえてきた。
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