約束の日

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梅雨の季節、久々に顔を出した太陽が俺の誕生日を祝福してくれた。 今日は6月14日。誕生日でもあり、あの手紙の約束の日でもある。 ベッドから下りた俺は、着替えを済ませ ダイニングへと向かった。 「おはよう」 「おう、おはよう」 朝食を食べ終えたのだろう、空になった食器をテーブルの上に置いて、父は 新聞を読んでいた。 「あ、おはよう」 母は 台所に立って、作業をしていた。 まだ、未来人は来てはいない。 そういえば、時間は指定していなかったか…まぁ大丈夫だろう。 「最近盗難事件多いなぁ」 新聞を読みながら父は言った。 「全く盗みなんかやって、犯人の将来が不安だ」 「そうねぇ、何か事情があったのかしらねぇ。はい翔」 目の前に朝食が置かれた。 「ありがと」
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