約束の日

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「ウツギの花事件ってのはな、10年前に起きた迷宮入りされた殺人事件。確か…30歳くらいの男性が殺されたっけ。 これも遺体に“ウツギの花”が置かれてたんだ。 漫画みたいな事件で、当時は騒がれたもんだ。 指紋が残されていたのにも関わらず、結局 犯人は捕まらなかった」 新聞の上から顔を覗かせながら、俺に向かって父は語った。 確かに漫画みたいだ。 「へぇ、犯人捕まるといいね」 もうちょっと 聞きたかったけど、学校に遅れそうなので 適当に相槌をうった。 朝食を食べ終えた俺は皿を片付け、玄関に向かった。 「じゃあ学校行ってきます」 「「行ってらっしゃい」」 外に出ると、暖かい日差しが俺を照らした。 いつも通りの朝だな。未来人なんか、来るはずないか。 そうだ! 帰ったら、ウツギの花事件でも調べてみよう! そう、頭の中で考えながら俺は学校に向かった。
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