思考犯罪

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 いつも通り、変わらない日常を過ごす。学校で真面目に授業を受け、家で真面目に家事の手伝いなどを行う。同じ事の繰り返し、実につまらない。  私は友人の幸(さち)と一緒に職員室にノートを運んでいた。今日は日直で、何かと雑用をさせられる。 「ねぇ、静香はどう思う?」 「なにが?」 「来週から始まる新しいドラマ、楽しいかな?」  あぁ、と私は曖昧な返事をする。今どきのドラマなんて、殆どワンパターンに近い。昔流行ったとされるサスペンスなどは、法律上禁止され、思考に悪影響を与えかねないよう、かなりの規制がされている。ちょっと殺人の話が出ただけで、そのドラマは打ち切りになる。全て、セキュラの言いなりだ。 「私は期待してないよ、現代ドラマは、昔の方が好き」 「昔の?例えばどんな?」 「人間の感情を、偽らず表した作品とかかな?ドラマではないけど、映画ではシンドラーのリストや、ブレードランナーとか好き」 「んー、まったく知らないや」と幸は首を傾げた。
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