鬼頭 平蔵(おにがしら へいぞう)

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「今日の14時に待ち合わせ予定で…。 チャイムを押しても返事がなかったんです…。」 「…なら、何で部屋に入ったんです?」 ワシの疑問は当然だろう。 普通に考えてチャイムを押して家主が出なかった場合、どうするだろうか? 答えは『家の外で待つ』か『時間を置いて、また来る』だ。 それを家に入って遺体を見つけた? それはワシの心に違和感を植え付ける。 その疑問を直接ぶつけてみた。 だが、その答えはすぐ解決する。 「あぁ、それはウチの編集長が言ってたんです。 『中で待ってろ』って。」 「ふむ…。」 これは彼が勤める出版社に行って、その『編集長』に話を聞いてみる必要があるな。 「ありがとうございました。」 「いえ…。」 ワシは第一発見者の出水さんとの話を終わらせ、現場は他の捜査員に任せることにする。 「加賀見!」 ワシは一人の刑事を呼ぶ。 「ハイッ!!」 すると、その声に反応するように元気な声が挙がった。
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