事件の始まり

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  ───某日・夜─── 「た、頼む!許してくれ!!」 とあるマンション。 その一室にて、夜の静寂をぶち壊すほどの異様な光景が起きていた。 「私が悪かったから!」 必死に何かを懇願する中年太りの男。 冬で外は寒いにも関わらず、中年太りの男は汗をかいていた。 それは暖房を利かせ過ぎなのか、はたまた目の前の光景の緊張からなのか? 中年太りの男は床を這いずるように後ずさりしている。 「だから…頼む!」 必死な形相の男。 その額からは、血が流れ落ちていく。 床を這いずっている中年太りの男は、四十代ぐらいか。 そこに迫る一人の人物。 その手にはトロフィーが握られていた。 金色をしており本を象ったような形をしたトロフィー。 そして金色には似つかわしくない、赤い染み。
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