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「完全犯罪を造るのは不可能、だけどこれで限りなく証拠は消した。」
犯人は喜びを静かに噛み締めているようだった。
それは被害者を殺せたことから来るものか、或いは今、この場に自分に繋がる証拠がないからか、それは犯人にしか分からない。
しかし…犯人の表情からは確かに喜びが滲み出ていた。
「さて。」
犯人は最後に部屋の明かりを落とした。
それにより部屋は闇に包まれ、無音が支配する。
今、部屋を照らすのは惨劇とは真逆の優しい月明かりだけ。
月明かりを避けるように、そのまま犯人は静かに犯行現場を後にした。
まるで何事もなかったかのように…。
そしてこの部屋に残ったのは、狂気の餌食になった被害者と、徐々に冷えていく空気だけだった…。
……………
………
…
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