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『出水ぃ!連絡はどうしたぁ!』
電話口から聞こえてくる編集長の怒号。
(やべっ、遅れるって言い忘れてた…。)
今日貰う原稿は月刊誌のコラム。
最終的な入稿(掲載する為に印刷所に持っていく必要があるタイムリミット)までには日数があるとはいえ、原稿を受け取ろうと遅れようと、取り合えず連絡はするべきだったな…。
「すんません…実はまだ原稿貰えてなくて…。」
『はっ…?珍しいな、君嶋先生が連絡もなしに遅れるなんて…。』
聞けば君嶋先生が締め切りに遅れたのは、病気で体調不良になった時だけらしい。
『で。電話はしたか?』
「あっ…。」
忘れてた。…いや、いるもんだって思ってたから。
『はぁ…。まぁいい。こっちから電話するから、お前は中に入らせてもらえ。』
「え。いいんすか?」
俺は驚いた。
編集者といえど作家の家に勝手に入って良いのか?
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