Story1 はじまりの刻

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突如激しい耳鳴りが鼓膜を侵し、言い知れぬ感情がノラの内に濁流のように流れ込んできたのだ。 それはノラの感情とは異なる別人のもの。 言葉で表すなら〈憎悪〉と〈悲愴〉。 だがそれも束の間、ノラの戸惑いが晴れる前に耳鳴りと共に消失した。 しかし不可解な現象は更に続く。 しっかりと地に張り付いていたはずの靴裏が重力に逆らい浮遊した。 そして次の瞬間には視界が反転し、天地が逆さまになり、空へ落ちた。
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