#1 ツきの神

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「お待たせ~」 来た。 やつ(嵐舞)が来た。 約束の2分前、やつはやっと来た。 「よし、行くか。」 すぐにゲーム屋に行くようにする。 やつに先手を打たれる前に。 「あ、待って。ジュース買ってくる。」 どうやら先手必勝の言葉は嘘っぱちのようだ。 この前も1.5リットルのジュースを買った。 それだけならいいのだが、それに10分もかかるとなると厄介だ。ゲームを選ぶ時間が少なくなる。 「ちょっと待っててね~」 そう言ってやつは近くのコンビニまで向かって行った。 「できるだけ早くしろよ~!」 念のため声をかける。 「うん、できるだけね~」 ダメだ、肥をかけてやりたい。 待つこと9分、やつにとってのできるだけは1分のようだ。 「いや~、今回は早かったね~!」 五月蝿い、1分に早いも糞もあるものか。 こいつはケツに火がついても焦らないだろう。 心の中の悪態を察知したように、嵐舞は俺の顔を不満そうに覗き込んでいた。 「なんだよ、文句あるのかよ?」 本当に心の中読めるんじゃね? 顔に出さないようにしていたのに、こんな質問をされると心底ビビってしまう。 そんなことをしてるうちに、ゲーム屋に着いた。
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