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「いってきまーす」
「はい、いってらっしゃーい」
普通の日曜日
普通なら家族でご飯でも食べながらテレビでも見るところなんだが
あいにく、僕は剣道の稽古があるからのんびりはしてられない
でも、そんなのんびりした生活に憧れたりはする
少しセンチメンタルになり空を見上げるとすでに太陽はてっぺんに差し掛かっていた
暑いなぁ..
蝉の鳴き声が街に響く
少し、いやかなりうるさい蝉の鳴き声も結構好きだったりする
バスに乗り込むと、ひやっとするぐらいにクーラーがきいていた
「ふぅ..」
ぼふっと椅子に腰掛けると暑さから解放され声が出てしまった
バスから見える住み慣れた街の風景はいつもとなにも変わらない
だが
そんな平和な街が数時間後に地獄と化すことを私は知るわけもなく、いつも通り道場の最寄り駅で降りた。
バス停から道場はすぐだ
道場に入る前に必ずやることがある。
それは道場の前にある公園にいつもいる野良猫にパンをあげることだ。
「ほら、こっちおいで。ごめんな、飼ってやれなくて。」
僕の母は猫アレルギーだ。
だから飼ってやることはできない。
はぁ..とため息をつき道場に入った。
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