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『なによ。だったら、イギリスに自分から会いに行けばいいじゃない』
『そうだね』
またその淡々とした返答が返ってくる。
アイラは口を尖らせたまま、カウンターの上に肘までつき出していた。
『なんで、わざわざマレーシアにまで来るわけ?』
『楽しそうだな。いいな、リゾート地なのか』
へえぇ、とわざとらしいその返答を聞いて、アイラの口がへの字に曲がっていく。
『こんなに親しくなった仲なのに、龍ちゃんだけは誘うけど、俺は誘ってくれないんだ』
『なによ。両親のトコに帰ればいいじゃない』
『そうだね』
んー、とアイラは顔をしかめたまま、溜め息をついていた。
『マレーシアで遊びたい?リゾート地よ』
『いいね』
『だったら、宿泊代から遊び代も全部含めて、今月末までに払わないとダメなのよ』
『そうか。だったら、その詳細をイーメールで送ってくれないか?』
『本当に来るの?実家はどうしたのよ』
『どうして俺だけは遊んだらダメなんだ?』
『そんなこと言ってないじゃない』
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