その1

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『だったら、なんで?』 『親不孝者ね』 『でも、電話の挨拶くらいはできるから』  アイラはそこで完全に閉口していた。 『ミカに直接支払わないといけないのよ』 『ミカって誰?』 『私の従姉よ。ミカが全部の手続きとか、予約とか済ませるから』 『クレジットカードじゃダメかな』 『カードで大丈夫よ。全員が全員、そんな一気に支払えないじゃない』 『そうだね』 『飛行機のチケットも探して欲しいなら、ミカに頼めばいいわよ。旅行代程は安くならないけど、たぶん、ミカなら簡単に探せるはずだから』 『そうか』 『ねえ、そっちの休みいつなの?』 『アイラはもう休みだろう?夏休みだから』 『そうよ』 『俺の方はどうだろ。たぶん――クリスマス前まではあるだろうけど、大した問題じゃないから。アイラの仕事は?』
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