22人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんか久しぶりだねー椎奈と一緒に帰るのは。」
のほほんとそういう洸に若干イラッとはくるものの、私もぎこちない笑みで応じる。
そのままぐだぐだと特に何を話すでもなく取り留めのない話を続けてると、突然異変は起こった。
何気なく私が洸の足元を見たとき、そこには光り輝く幾何学模様が浮かび上がっていた。
ぼっちな私はこういうことは予習済みなので一瞬驚愕したもののさり気なく洸との距離をおく。
しかし普段は超絶鈍いこの男はなぜか私が距離をおいたことに気づき、再び近づいてきた。
そしてその瞬間彼の足元にぱっくりと大きな穴が開き彼は吸い込まれてゆく。
溺れるものは藁をもつかむとはよく言ったもので落ちていく彼は見事に私の腕をつかみ引き寄せたのだ。
「ちょ、ダメだって離して・・・ってか離せー!!」
私の必死の抵抗むなしく彼は全身を黒い穴に飲み込まれ、私の半身は埋まってしまう。
「はぁ?、最後までこんな感じなの!?イヤだよ、まだ友達もできてないのに行くなんてー!!」
心からの私の叫びは残念ながら誰にも届かずただ虚空に響き渡るのみだった。
・・・イケメンはもう絶対信用してなるものか!!
イケメンは厄介ごとを持ち込む疫病神だー!!
最初のコメントを投稿しよう!