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「さて、それじゃあ帰りますか。」
彼はそういうと、上着の懐に手を入れて一枚の紙を取り出しました。
けど、私は今ここで彼に帰られると非常に困るわけで、イケメンはめんどくさいけど勇気を出して話しかけます。
「あ、あの・・・」
言葉を切り出そうとしたそのとき、彼はニッコリと再び私に笑顔を向けた。
「もちろん君も一緒にね、自衛行為もしてないみたいだしその制服もここらで見かけないしね、なにか事情があるんだろ?それなら俺に話すよりも適任の人がいるからさ、その人のところまで送るよ。」
察しの良いこの黒い人は私の言いたいことを代弁すると私の左手をひっぱり私の身体を抱き寄せました。
「は?えっ?」
突然の出来事に若干のパニック状態に陥ちゃった私だけど彼の言葉で落ち着きを取り戻しました。
「ごめんね、イヤだろうけど危ないから大人しくしててね?」
彼はそういうと手に持っていた幾何学模様の描かれた紙を破った。
そして再びあのときに近い感覚、一つ違うのはそれがほんの一瞬だったということくらい。
そしておそるおそる眼を開けるとそこにはみたことのない室内が広がってました。
「あの、ここは?」
「ん?ここはギルドだよ、まあ依頼をこなして報酬を得るっていう何でも屋みたいなところだよ。」
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