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「それじゃあ着いてきてね。」
彼はそういうと近くにあった階段を上り始めた。
とりあえず現状のところ彼しか頼る人がいない私は大人しく彼についていく。
階段を上って、少し歩いた場所にある部屋のドアを彼がノックすると渋めのおじさんの声が入室を促す。
「ん?おお、なんだレオンか俺が頼んだ仕事は無事終わったのか?」
レオンと呼ばれた私の隣に立っている青年はその問いに頷くと懐から綺麗な碧色に輝く宝石を取り出した。
「これですね、結構苦労しましたよ、あの遺跡は俺が相手にした中でトップ10に入るめんどくささですね。」
肘掛の着いた椅子に座っている責任者っぽいおじさんは満足そうにその宝石を受け取った。
「そうかお前でも苦労するレベルだったか、だがさすがだな、報酬はいつものところに入金しておく、それでそちらの娘さんは?」
渋いおじさんはの方へ視線を向けると訝しげにそう問う。
「それは彼女から聞いてください、俺はまだ名前も聞いていないんで。」
その答えに唖然とするおじさんだけど、すぐにいつものことかとつぶやき再び私に向き直った。
「すまないお嬢さん、レオンがここに連れてきたということはなにか訳があるのだろう?良ければ説明してくれないかある程度なら私が力になれるよ。」
おじさんがそういうと今度はレオン・・・さんが私に対して言葉を投げかけます。
「君がよければ俺も聞いてていいかな、失礼だとは思うんだけど、さすがに気になるからね。」
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