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二人の賊のうち一人はラウナと同じくらいの体格だったが、もう一人は驚くほど大柄な男だった。ラウナよりも頭ふたつ分ほど背が高い。そいつの剣が横に振られる。剣で受け止めたが、すさまじい力だった。
両手が痺れた。二、三歩さがって、間合いをとった。
二人の賊と対峙した。一気につっきろうと思っていたが、どうやら甘かった。
ロズクもまだ相手を斃していない。
三対二では分が悪い。このままでは殺られてしまうかもしれない。
ラウナはふとそんなことを思ったが、深く考えている余裕がない。
大男が一気に間合いをつめた。剣を振る。
ラウナ、今度はよけた。二人を相手に時間をかけていては不利だ。一撃でカタをつけるしかないだろう。
だが目の前のこの大男……。ラウナは眼光するどく凝視める。
――わたしとロズクの二人がかりでも苦労しそうな相手だぞ――。ロズクと剣を交えている賊にしても、彼をこれほどてこずらせるとは――。もしや、こいつが戦士ゴウンを斃したのか……。
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