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峠にさしかかったところで振り返ると、盆地にたたずむ村の家々はすっかり小さくなっていた――。
山道から眺めながら、ラウナは息をはずませていた。村でただ一人の女戦士とはいえ、まだ少女のあどけなさを残した顔をやや上気させて。
通り慣れている山道だが、きょうはいつもの狩りをしに行くのとはちがう。
彼女は、これから待っているものにわくわくするものを覚えていた。
「どうした?」
後ろから来るがっしりとした体つきの男が声をかけてきた。
戦士バサンだった。村長からの信頼もあつい、戦士たちのかしらである。
「いや、べつに……」
ラウナは言ったものの、実はかなり興奮していた。
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