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ラウナは、追いこしたバサンのあとについて、さらに山道を登りはじめた。
一日で十分往復できる距離だった。火の星が落ちたのは、村から西へ丘を二つ越えた先にある山の向こう側だった。昨夜、村からその山へ落ちたのを見ることができた。
細い道を進んでそこへ近づくにつれ、山に大きな黒々とした場所が見えてきた。山の斜面の樹木をなぎ倒し、燃やした跡だった。
――あれが、そうか……。
現場に到着した。
おお、というどよめきが四人の口々から洩れる。まるで山火事だ。しかし、火事とちがうのは明らかだった。山の中腹が集中的に燃えていたのだ。普通の山火事ではこうはならない。
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