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火は、まだ完全には鎮火していなかった。あちこちくすぶって、白い煙を上げていた。
まだ熱い地面を踏みしめながら、四人は火の星の落ちた場所に踏み込んだ。獣革の靴底を通して、熱が足に伝わる。
「すごいな……これは」
バサンは周囲の惨状を見まわした。
四人がそれぞれ見て回っていると、すぐに見つかった。
「おーい。こっちだ」
戦士ターズが叫んでいる。バサナよりは若く、背の高い男だった。体つきは細い印象を与えたが、その上背を活かした剣術は、バサナも認めるところであった。
他の三人がそこへ駆けよった。
落ちてきた火の星。それは、焦げた土に深いくぼみをつくり、その底に半分ほど埋まっていた。鈍く、銀色に光っていた。
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