第1章「火の星」

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「とりあえず、取り出してみよう」 「まだ熱いんじゃないか?」  バサンが、手をのばそうとするターズを制した。熱いだけじゃなく、他にも何か危険があるかもしれない。用心するにこしたことはない。  ターズはバサンのほうを見て、 「では、どうする? しばらくこのままにしておくのか?」  バサンは腰に佩いた剣を抜くと、その鋭く尖った先端で軽くたたいてみた。  硬い音がした。それ以外に反応はなし。 「大丈夫なようだな」  危険はどうやらなさそうなので、火傷しないように注意しながら、彼らは銀色の火の星をかかえて山を下りることにした。  倒れていた木を使って輿を作り、その上に火の星を乗せて四人でもって担ぐ。
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