第1章「火の星」

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 しかし、ラウナのその予感はまったく別の意味で的中した。  まだ丘の向こうの村が見えないころから、それはわかった。  ……煙? 「たき火……じゃない……?」  あとの四人もそのことに気づいた。 「火事か……?」  バサンがつぶやいた。 「先に行ってる」  振り返ってそう言い棄てると、ラウナは村へ駆けだした。へんな胸騒ぎがするのだ。火事だろうかというバサンの言葉だったが――。  峠にさしかかった。そこを越えると、あとは村まで下り坂一直線だ。が、ラウナはそこで足をとめた。  ここまで走ってきても、息ひとつきらせてはいなかったが、そこから見える村の光景はラウナの息を荒くするのに十分だった。
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