0人が本棚に入れています
本棚に追加
母は子犬の形の肉塊に小麦粉をふると、ゆっくりと手招きを繰り返した。
するとまな板の上の肉塊がゆっくりと足を上げた。
「そうそう!少しずつでいいからね。疲れたらこの板の上で横になってなさい」
言われると子犬はにパタリと足を下ろした。
「魂が定着すれば毛が生えてくるから。そしたら形も落ち着くでしょう?」
母がそう言って台所に戻っていく。
「自分も戻るね」
陽一は何事もなかった様にエプロンをかけ直し、店頭に戻って行った。
最初のコメントを投稿しよう!