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僕は別に、捨てられた当初はユースタス家のことなんて憎んじゃいなかった。 ユースタス家は、もっとも王家に近い三大貴族なんだ。 そりゃ僕みたいなのが産まれたら、捨てられるに決まってる。 僕は産まれてきたとき魔力を持っていなかった。 いわゆる魔盲、と言われている奴だ。 だから僕は捨てられることを拒んだりはしなかった。 たとえ父に無視されても、蹴られても、魔法の的にされたとしても、地下深くの牢に入れられたときだって………、 ……僕はそれを受け止めた。 お母さんに、お前はそうされて当然なんだって 教えられたから。
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