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この目の前にいる人こそ友香さんの知り合いの、薫君だと。
もっと早くに気付いていれば逃げられただろうに。
「あなたが薫君?友香さんからの頼み事は断ったから、先生と一緒に理事長室に行って下さい」
私は冷たく言い放ったが、それも無駄となった。
「杉村、残念だがお前は理事長からのお呼び出しだ」
私は教師の言葉を聞いて確信した。
理事長が私を呼び出す目的は一つしかない。
「浅上君の事を理事長室まで連れて行ってくれ、私は用事があるから頼んだぞ」
「分かりました」
私は、浅上薫という少年を連れて歩き出した。
高等部校舎から職員校舎まで続く通路に着くまで、私は女子生徒から冷たい視線を浴び、その原因である当の浅上君は女子生徒の注目の的となった。
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