SUMMER TIME<忍足謙也>

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謙也side <今日の部活、銀と何話そかな> <今日の帰り、財前と善哉でも食べて帰ろかな> とか下らん事考えとる、苦手な世界史の授業中。 さっきの休み時間は 本当にビビった。 それもこれも彩夏が”イグアナちゃんの名前ないん?”とか能天気な事言うてきたからや。 あいつはホンマに恐ろしい。俺をびびらす天才や。 まぁ、そんな立場におちいっても ”浪速のスピードスター”の俺は完璧な演技でかわしたったけどな。 …イグアナの名前… …あいつには絶対教えられへん!! いや、口が裂けても無理やろ… 『彩夏ちゅー名前とか。毎日彩夏ちゃん言いながら撫でてるとか。あ~…言えへん.無理やて…引かれるて…俺かて、そこまでアホやないかr…「ちょ、謙也。何ブツブツ独り言言うてるん。めっちゃキショイで」 俺の前の席の白石が振り返って文句言うてきた。いや、正論なんやろうけど。 って、キショイは余計や。 『あぁ、スマン。……ん?お、俺、口に出しとったん!?』 「バッチリやで。謙也、彩夏ちゃんとか言いながらイグアナの事撫でとるとか。倉橋さんが知ったらめっちゃ引くやろなぁ。」 ニヤリと笑った白石。 普段なら言い返すんやけど 今回ばかりはごもっともや★ ”妄想するんはええけど、声にだすんはやめてやー、頼むわ”そう言うてまた前を向いた白石を軽くあしらって 彩夏の方を見てみた。 まだ机に頬ついてダルそうな格好しとった。 あぁ…先生見てんのに。 でも そんな格好しとっても”可愛ええ”とか思ってまう俺は… 多分重症なんやろなぁ。 結局、惚れたもん負けっちゅー話しやな。 ”ま、イグアナの名前の話は、いつか俺がお前に告白するときに教えたるから。まっとけや。” とか、心ん中で呟いて 残り少なくなった世界史の授業を <そういや銀、昨日、滝修業した言うてたな> <駅前にめっちゃ旨い善哉おいてある店見つけたし、今日ぐらい、可愛いい後輩に奢ったってもええかな> とか相変わらず下らん事考えながら過ごしとった。 …にしても暑いなぁ。 今日はまさに SUMMER TIME って言葉が似合う日や。 このSUMMER TIME、まだまだ続くんやろなぁ… <SUMMER TIME END>
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