ここは誰?たわしは何処?

5/7
15771人が本棚に入れています
本棚に追加
/547ページ
「そこで私から提案がある。一月の間、この城でこの世界の基礎を学び、それから学園に通うというのはどうだろうか?」 へー、この王様はどうやら読んできた小説の中によくいる愚かな王じゃないみたいだな。 こっちの状況を理解し、解決策をちゃんと考えてる。 だが、俺っちには俺っちなりの意見があるのだよ! 「あ、はい。僕はそれでいいです。というよりもまだよく別の世界とかそういったものを理解してないんで此方からお願いしたいくらいです」 「分かった。ところで、勇者は一人のはずなのだが、何故二人も…?」 それ普通俺っちがいた事認識した時点で持つ疑問だよね? 明らか言うの遅いよね? 「それですけど、多分こいつ…魁って言うんですけど、こいつが勇者として召喚されたんだと思います。んで、俺っちはそれに巻き込まれただけの関係の無い存在ですよ」 「巻き添え…だと? まさか、そんな事が起こり得るのか…」 王様が何かブツブツ言ってるけど、召喚に直接巻き込まれたわけじゃなくて、こっちに連れて来られそうになった勇者様に道連れにされただけなんですけどねぇ…。ほんとイラッと来るね。 「とりあえず、俺っちは勇者とは何ら関係の無い人間ですからせめてこの世界について書かれた書物くらいはもらえませんかね? それさえあれば後はどうとでもなりますんで」 .
/547ページ

最初のコメントを投稿しよう!