ここは誰?たわしは何処?

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「え? 何言ってるの楝牙?」 魁がなんか言ってるけどヌルーの方向でおk? 返事は聞かない。 「何も知らない人を書物一冊で送り出すというのも心苦しいのだが、二人来るとなどは一切予想していなかったから必要な物が一人分しかないのも確かな話だ…」 そこで王様は軽く考え込む。側近の大臣らしき人物を二人ほど呼んで何やら会話をしている。 「…うむ、致し方ない。本当に申し訳ないが、君を送り出すしか出来ないようだ。ただ、その代わりにこの城の中でも特別に質の良い書物を君に渡そう」 おお、やっぱこの人いい人だ。もう表情からも俺っちを一人で送り出してしまうのが心配だってのが分かる。 「にゃはは、理解してくれて何よりです。それじゃ、書物を頂けますか?」 「ああ、分かった。君、案内を頼んだ」 兵士の一人に向かって王様が告げる。てか魁に水持ってきた人だわ。 「どうぞ、着いて来て下さい。書庫に案内します」 「どうもでーす」 軽い? これがいつもの俺っちだ。異論は認めんぞ! つーか、魁が呆気にとられた表情しとる。すげぇじわじわくるな。 粗方俺っちが一人で出てくって言うのに驚いてんだろ。俺っちはサバイバルの経験もあるから平気だけど。 .
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