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「何、勉強中?教室でやらないの?」
「いや…自分のペースで進めていきたいっていうか…勿論、いつもは教室で授業受けてますけど……ここの単元、苦手で…」
そう控えめに言いながら男の子はまたノートを広げた。
「……」
さっきからペンが進んでない気がするんだけど。
「うわっ…何ですかっ?//」
俺は、男の子の背後から、解いている問題集を覗き込んだ。
「…あー…これ、この二次式を因数分解して……」
「…………?
…あぁっ!ありがとうございます!/」
少し間を置き、計算を解き終わり、答えを確認すると、キラキラ輝いた目でお礼を言われた。
なんか可愛い子。
男の子が持っていたノート、教科書、参考書類の表紙には、全て"628森本"と、しっかりと記入されていた。
FIN。
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