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ポカン、と空いた、鞄も掛かっていなく、教科書の一つも入っていない俺の前の席。
俺は、その誰も座っていない椅子の背凭れをただ見つめていた。
「圭人?どうしたボーっとしちゃって。寝不足?まさかの恋煩い?」
「侑李…!いつからいたの」
俺が気付かない内に、隣の机の上に侑李が腰掛けていた。
「だって圭人気付かないんじゃん」
クラスが違うのにも関わらず、普通に馴染んでるし、このクラスの人達とも普通に話してるし。
「何?ホントさっきからさぁ…」
呆れたようにそう言いながら、侑李はぐるりと教室を見渡した。
「別に……」
その俺の返事が侑李にとって余計詰まらなかったのか、小さくため息を吐かれた。
俺、何もしてないじゃん……
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