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「中島!また"あの子"がお呼びだぞっ!」
教室の扉に屯(たむろ)していた同じクラスの奴らが、机に突っ伏していた俺をニヤニヤしながら呼んだ。
完璧。
面白がってるだろ。
「はぁあ……」
折角気持ちよく寝てたのに。
俺は目を擦りながら、廊下に出た。
どうせまた…
「あっ…裕翔君っ!」
教室の外で待っていた"あの子"は、俺の顔を見るなり、露骨に表情を明るくさせた。
パアッ!って文字が出てきそう。
「…何すか…涼介先輩」
「あーもうっ!"涼介"で良いって言ったじゃんかぁ!」
頬を膨らまし、俺を軽く睨む。
そういやそんなこと言われてたな。
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