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「極秘研究施設の全4ヶ所中、3ヶ所が爆破されていたんだ」
「爆破……!?」
唐突に発せられた物騒な響きに、思わず聞き返す。
「うん。跡形も残って無かったようだね。周囲には砕けたコンクリート片が転がってたらしい」
星がページをめくる。
そこには、焼け焦げた更地の写真があった。
背景の木々を見る限り、全て山奥のようだ。
「爆破されたのが人類消滅以前かどうかは不明だけど、残されたここに何かがあることは確実なんだ」
リストで唯一、斜線の入っていない列をトントンと叩きながら、星が言う。
江島奥介が関わっていた研究施設。
確かに、何かありそうだ。
もしかしたら、三年前に姿をくらませた黒柴スクの行方も分かるかもしれない。
「それを俺達に調べて来い、って話か」
俺は納得して頷く。
イチも一秒遅れて頷いた。
それを見た星はファイルの一番後ろに挟んであった二冊の紙の束を取り出した。
紙の角をホチキスでとめてある。
「これが研究施設の資料だ。報酬は弾むから宜しく頼むよ」
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