消去しますか?

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再び携帯が鳴った。 怒る気持ちを抑えながら、酒井の電話に出た。 「なに?」 「君、この携帯の人の知り合い?」 落ち着いた声は酒井のものではなかった。 「え?」 「携帯が落ちてたから。」 「だってさっき電話・・・。」 先程の酒井の言っていたことを思い出した。 連絡がつかない人が何人もいる。 「あの、高校の人?」 「正確には違うな。」 「今、学校どうなってる?」 「大変だよ。さっきまでいた人が急にいなくなったり、血を噴き出して倒れてる人がいたり、パニック状態だよ。」 「君、誰?」 「僕は君のポストにゲームを入れた人間さ。」 汗が急に滲んできた。 「もしかして、このゲームって・・・。」 「そうだよ。現実とリンクしてるんだ。」 「現実とリンクしてるって・・・、僕が今やってたことが現実で起きちゃってるってこと?」 「そうだよ。」 「嘘だ!そんなことあるわけない。」 「本当だよ。テレビ電話で見せてあげる。」 テレビ電話に切り替えると、学校での悲惨な状況が見えた。 「信用する?」 「あ、あ・・・。」 「びっくりだよね。急にこんなことになったんだもん。しかも君の責任で。」 目の前が真っ暗になってきた。 どうしよう、どうしよう、どうしよう。 「あと、1つだけいいこと教えておいてあげる。」 「え?」 「そのゲームはもう1個配ってあるんだ。」 「だ、誰に!?」 「金田って言うかわいい子。女子バージョンだよ。だから倒すのは女子。そして、君は表記がなくてもできたみたいだけど、金田さんには、嫌いな異性も消去が出来るってことを説明書に書いたんだ。」 「それが、なんだよ。」 「金田さんの嫌いな男子知ってる?」 「え?」 「君だよ。」
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