第ニ章 回想

4/20
前へ
/154ページ
次へ
「授業ちゃんと聞いてた?また妄想ばっかしてたんじゃないの?」 「聞いてたわ!……最初の方だけな」 「はぁ、相変わらず懲りないねぇ。最初っていうと、んー……能力の起源の話かな?」 もう耳に特大のタコが出来てしまうぐらい聞き飽きた話。 言い伝えによれば、神様が『スコア』というものを一部の人間の魂に刻み込んでくれたことで、能力を使えるようになったということらしい。 スコアは、神の力を発現させるための譜面のことだとか。 はっきり言って俺はそんなぶっ飛んだ言い伝えを信じちゃいない。実際、能力とは言っても、神の力なんて言えるほど大層な能力を持ってる人見たことも無いしね。 ちなみに、最近になって学者のおっちゃんが、能力を持った人達に共通してある遺伝子配列が存在することを発見したらしい。それで、今では伝承にちなんでその遺伝子配列のことをスコアって呼ぶようになっている。 俺、『海晴 春(ミハレ ハル)』もそんな遺伝子配列を持つ人間の一人だ。
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加