第一章 箱庭

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「詳しい内容は、街にある総合案内所『センター』で説明を受けて下さいね! みなさんがまず始めに行うのは街にたどり着くことです!」 街。そこに行けば会えるのかもしれない。 確かに、二人の惨状は今でも生々しく目に焼き付いている。あの状態で生きているだなんて普通は考えられない。              ・・ しかし、あれだけ人数がいて案内する相手が俺だけだったとも思えない。あの場所にいた全員が対象だったなら――。二人は生きてこの世界に連れてこられているのではないだろうか? 俺の心に一筋の光が差し込んだかのような……そんな気がした。 「だがしかーし!今のみなさんでは街にたどり着くのも簡単ではないはずでーす! そこでみなさんの腕にはめられたブレスレットに注目♪」 とにかく話に集中して早く街に行かなきゃだ。 そして、俺は言われた通り腕にはめられたブレスレットを見て、思わずため息をつく。みんなつけてるんじゃモテ効果無いじゃないか。 「そのブレスレットがあなた達の“武器”となります♪それでは頑張って街へ向かってくださいねー!チャオ♪」 画面がその場から一瞬にして消え去る。 ――はい?
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