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「準備出来たぞ」
「ありがとう、どっちが先に入る?」
「お前からでいい。俺は明日の弁当の準備をしている」
「なんか悪いな・・・」
「いいぞ別に 好きでやっている」
篠倉は僕の背を押してほら早くとでも言うようにお風呂場に押し込んだ。
扉越しに「ごゆっくり」と聞こえたから「おー」と答えておいた。
「そういえば篠倉パジャマ貸してくれるって言ってたな・・・変な顔してたな・・・どうせなら僕のパジャマで女の子が萌え袖・・・」
哉太の顔は大変だらしないモノになっていた。
「これで可愛い女の子がきゃあーみたいなそんなのがあったら最高なのになっ・・・!?」
勢い良く扉を開けた哉太だったが、固まった。
「ひ・・・広すぎる・・・このボンボンめ・・・っ!!」
本当に広かった。 水道代がもったいないとか考えるのは僕が庶民だからだろうか・・・。
「まぁ広いんだから楽しもーぜええええええええ」
僕は開き直ってお風呂に飛び込んだ。
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「春野ー」
扉越しに篠倉の声が聞こえた。
「篠倉どしたー」
「パジャマ置いとくぞ」
「ありがと」
「逆上せるなよ」
「おー」
軽く会話をすると、篠倉が洗面所から出て行く音がした。
「お母さんもそう行ってますしそろそろ出ますか」
僕は着替えるべくタオルを取って頭、身体を拭き、パジャマを手にと・・・パジャ・・・え?
「さああああああああさあああああああああくううううううううううらあああああああああ」
僕は腹の底から声を出した。
「五月蝿い」
「じゃなくて!なにこれ!」
「パジャマだが?」
「パジャマだけど・・・違う!!」
哉太が手にしていたパジャマはピンクのフリフリがついた可愛らしいパジャマ。
「お前こんなの着ようとしてたのか!?」
「馬鹿か。妹がくれたが俺には合わなかったのでお前なら行けると俺は思った」
「行けねぇよ!!」
「ならお前は今日は裸で寝ることになる」
「篠倉のバカ・・・」
「ふふふ」
何やら篠倉が不気味な笑い声を発していたような気がするが気のせいだと信じた。
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