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<体育館の外>
「で、なんでお前はこんなに震えている」
「それはカクカクシカジカで」
「・・・」
篠倉がいつものように僕に罵声を浴びせようとしたけど、止まった。
「ごめん」
「別に」
「別に」という篠倉に呆れられたのかな?玄関のドアも開けれないようなやつだし。とか思ってたら、急に頭に温かいものが触れる。
「篠倉・・・?」
篠倉は優しい手つきで僕の頭を撫でていた。
「篠倉が優しい・・・」
「お前は痛いのをお望みか?」
篠倉の指に力が入る。
「いたww痛いおwwww」
「痛くされたくなかったら人を大魔王みたいに言うな」
そういって篠倉の指の力は抜け、優しい手つきに戻った。
「よく分からんが、お前は前髪長いし、ドアも満足に開けれず、生徒会を見れば震えるよく分からんやつだが」
あれ?僕貶されてるの?優しくされてるの?どっちwww
「困難を自分でどうにか出来てしまうだろう。きっと大丈夫だ」
「・・・っ。大魔王のくせに急に優しい事言うなよ・・・」
優しくされてたらしい。
「まぁ会って何日も経ってない奴に何言われてるんだって感じだろうが、それにしてはいろいろあったからな」
「そうだなwwwうん。分かった。思った時が吉日!!僕ちょっといってくるわwww」
「俺には状況が理解できないが・・・逝ってこい」
「あれ?漢字ちがくn「逝け」あいあいさー」
震えていた理由がわかっていない篠倉に半ば強引に体育館に押し出された。
僕が震えていたのは、カズが同じように成長しているのに、僕より先に行ってしまっていた事実を目の当たりにしたからで、そして幼馴染で親友だったカズに僕の存在を忘れられているかもしれないという恐怖で。
あまりに変わってしまった僕が『カズ』なんて今でも呼んでもいいのかわからなくて。
僕はチワワをかき分けて、生徒会のいるステージの前にくれば驚いた生徒会の顔。
その中の会長、カズの前に僕は立った。
そして息を吸って吐いて僕は言った。
「カズ!お前僕のこと覚えているか?」
カズからの返事は
「いや知らねぇよ。そもそも集会中にこういう目立つことをするな。お前後で生徒会室な」
僕のこの行動を黒歴史にしてしまうものだった。
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