その1高校生、大変です

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「こんなところまで引っ張り出してなんのようですか」 俺は人通りの少ないところまで連れてかれた。 会長はちらっと俺を見たあと、地面に視線を落とす。 話し始めるのに時間がかかりそうだったので、ジュースを開けて飲む。 数分待ったが、全く話しそうもなかったので聞いてみる。 「春野の事ですか」 会長はびくりとして俺の方を向いた。 そして口をやっと開いた。 「すまん。何から話していいか分からなかった」 「いいえ」 「お前はあいつと同室だろ」 「ああ」 「だから引っ張ってきた。すまん」 「別に大丈夫なんで、早く要件を」 「冷たいなお前」 「別に」 会長は軽く笑うと、話し始めた。 「あいつは元気か」 「元気すぎてうざいです」 「昔はもっと可愛げがあったんだけどな」 「昔?」 「そう昔。中学3年までずっと学校一緒で、家も近くていつも一緒にいた」 「はぁ」 「興味なさそうだが、少し聞いてくれ」 「まぁ聞きます」 「ありがとう」 会長は頭をかくとまた話し始めた。
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