39人が本棚に入れています
本棚に追加
「……酷い顔」
力なくそう呟き、鏡に指先を触れました。
「鏡よ鏡、我の質問に答えておくれ」
すると不思議なことに、その鏡は一度光ったのです。
お妃様は続けます。
「……鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだぁれ?」
するとゆらり、と鏡が揺れました。
『ヒヒヒ!それは勿論お妃様さ!その艶やかな黒髪、美しい肌…。世界で一番美しいのはアンタしかいない!』
その言葉にお妃様はホッと息を吐きます。
「そうですわよね…、世界で一番美しいのはこの私……」
そして、こうした日々が数日続いたのでした。
最初のコメントを投稿しよう!