1人が本棚に入れています
本棚に追加
『こちら陽一! 真正面に! 正面に! 助けてくれ! 嫌だ! 嫌だぁぁぁ』
通信が不自然に途切れる。
最悪な事態を暗示するかのように。
『陽一! こちら薫! 陽一! ねぇ無事なの! ねぇ!』
『こちら志穂! 陽一くんは備え付けの機関銃撃たれた模様! え? 主砲がこっちを向いたわ!』
「志穂さん! 薫さん! 後退してください! 体制を立て直します!」
『直人! 助けて! 直人! 助け』
轟音と共に通信が途切れる。
『志穂! 志穂ぉぉぉぉ!』
悲痛な叫びが耳元でこだます。
その声を僕は聞いているだけだった。
恐怖ではいつくばりながら。
最初のコメントを投稿しよう!