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『今日の一番のラッキーさんはこの星座!!
そう、牡羊座のあなた!なにかが起こるよ!
何が起こるかは、起きてからのお楽しみだよ。
それじゃまた明日~。』
満足したのかテレビの電源を消す母。
ソファから立ち上がり、そこでようやく俺の存在に気付いたらしい。
ちょっと驚いているようだ。別に気配を消してたつもりはないんだが。
「よかったね~、占い1位だったよ。」
「うん見てた。」
「幸せ者め!」
星座占いで1位とったくらいで幸せ者か。
世界中の牡羊座が幸せ者ってことになるな。
っていうか、アンタもじゃん!!
そう、母も牡羊座だ。
うちの母はどこかが抜けている。
ラノベなどでいったら委員長キャラに近いだろうか?
とにかくふわふわしてる。
きっとさっきの件だって自分が牡羊座だということを忘れて言っていたのだろう。
そういう人間なのだ。
なんてことを考えているうちに、時計は7時50分を指していた。
ふむ、そろそろだな。
玄関で靴を履く。
母が見送りに玄関までついてくる。
「あ、帰りにカレールー買ってきてくれる?」
「いいけど。今夜はカレーなわけ?」
「さぁそれは今晩のお楽しみです」
ふむ、カレーだろうな。
靴を履き終えて、扉に手をかける。
「じゃあ行ってきます」
「いってらっしゃい。」
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