〈春原 順〉

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学校に向かう。 家から学校までは徒歩15分といったところ。 長くもなく、短くもない。 至って普通の通学距離である。 時間が時間であるため、同じ制服の人を何人も見かける。 俺と同じように一人で学校に向かう人もいれば、待ち合わせをして複数人で行く人たちもいる。 中には、朝から手を繋いでラブラブモード全開で通学するカップルも…。 別にリア充爆発しろとまでは思わないけど、見てるこっちが恥ずかしくなってくる。 学校に着くと独特の賑やかさに包まれる。 挨拶を交わす。1限目に備えて準備を進める。早弁をする。昨日のテレビの話をする。 多種多様の会話が飛び交っている。 俺はとくに誰に挨拶をするわけでもなく自分の席に着く。 鞄を机の横にかけ、1限目の授業に備え教科書を取りに席を立つ。 「おはよう、順。」 「ん?あぁおはよう。」 席を立つ俺に挨拶をしてきたのは、幼馴染の”稲生 真奈” 真奈とは小学校からずっと一緒だった。 身長は162㎝。 ショートヘアで黒髪。 顔立ちは幼いながらも、妙な色気をまとっている。 そしてとにかく可愛い。 ってまるでストーカーみたいだな、俺。 いや俺はただ単に真奈の紹介をしてるだけであって、やましい感情はなんもないぞ? そういえば、俺のことはまだ話してなかったか? うむ、この際一緒にやってしまおう。 俺は”春原 順”。 どこにでもいる高校2年生だ。 趣味や特技も、とくにあげるところはない。 簡単にいうと残念なヤツ。って感じか? 自分で言ってるとなんか虚しくなってくるな。 まぁあれだ。 真奈の自己紹介をしたあとはそれぐらい差をつけたくなるものだ。 それぐらい真奈は可愛い。
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