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「何処だここ?」
目を覚ましてみれば視界全てが白い空間に居た。
生憎俺にはこんなきちがい空間に来た記憶はないので、少し前までの事を思いだしてみる事にした。
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朝7時、俺は喧しい程の大きさの目覚まし時計のアラームによって起床した。
俺は基本的に寝起きに惚ける事は無いので、直ぐに制服に着替えると2階から降りてリビングに向かう。
「あら、おはよう」
一階では既に母が朝食をとっていた。
家は母子家庭なので母は仕事があり、俺より早く家をでるので、俺と母が朝食の時間に会う事は珍しい。
ちなみに父親が居ない理由は子供を庇って事故死…………なんて素晴らしい理由ではなく、単純に父親のDVに耐えられなくなった母親が俺を引き取り離婚という訳だ。
俺は母に挨拶を返し席に着き朝食を取る。
10分程すると母は朝食が食べ終わったのか食器を片付けだす。
「それじゃあ戸締まり宜しくね!」
それだけ言うと母は慌ただしく家を出ていった。
これが母との最後の会話だった訳だ。
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