ホットミルク

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カーテンを開けると、空にはまんまるな月。 何となく、月に誘われるように ベランダへ出る。 時間も時間だけに、周辺も静か。 ベランダの柵に肘をつき、ホットミルクを啜る。 蜂蜜のやらかい甘さが、ふわりと口に広がった。 若い時は(今ももちろん若いけど)、こんな穏やかな気持ちで居ることが出来るなんて、思いもしなかった。 こんな気持ちになれるのは、きっと、今ベッドでアホ面して寝てる、あいつのおかげ。 あいつが、オレの全部を受け止めてくれて、その愛情を惜しみなくくれるから。 そんなことを思いながら、マグカップに口をつけると、背中から、ぎゅ、と、抱き締められる。 蜂蜜の匂いに混ざって、安心する香りに包まれ、笑みが零れた。 .
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