落ちこぼれと魔導院

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「えー。本日は我がフランベール魔導院にようこそいらして下さいました。私が校長のイオン=フランベールです」 僕は今、魔導院にいた。魔力のない僕にとっては、いても仕方のない場所だが、僕は懸命に勉強をしてここに入った。 僕の名前はメビス=ファリアナ。かつて世界を救った八大貴族の末裔の家柄だ。だけど、生まれつき僕には魔力が無かった。それは、魔法が全てのこの〈アタラクシア〉という世界では、あまりにも残酷なものだった。そんな両親は、僕を必要としなかった。次の年に妹のミリー=ファリアナが生まれたことで、それに拍車がかかった。 両親は、僕を妹の魔法の実験台にした。僕はただ逃げ惑うことしか出来なかった。気づけば、他の八大貴族の子供たちも僕を実験台にしていた。
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