平凡くんの憂鬱

-３-

「……あのさ、こーちゃん。電話かけてきてもらって悪いけど、もう切っていい？」

後ろから‥ 特に彼方からの視線が突き刺さるように痛いんでっ！;

俺の今の表情はたぶん引き攣ってると思う。これ以上、今の彼方を刺激しないよう掛かってきた電話を早々に切ろうとする俺に、電話の向こうで不満の声をあげる、こーちゃん。

『あ、おい… 待てって！！ったく、人が心配してかけた電話をなんだと‥！「じゃあ、切るよ」…待てって！！』

「こーちゃん、本当に切らないと俺の身が危ないんだって！！」

本気で！！

そう訴える俺に、

『あっそ。こっちとしては別に電話切られても構わないぜ？

ツテがあって、前に、お前が欲しいって言ってたやt「ま、ままま待って!!!」

ヤバい‥ 興奮が止まらない！！それってもしかして…

「トラ！？」

『ちげぇよ。つか、なんでトラ？』

トラ！？トラって何のことだ？と後ろから口出ししてくる彼方と、一体､何の話ですかと怪訝な声をあげる副会長らをそっちのけにスルーする。。

「なんだ… トラじゃねーのかよ」

『おい、あからさまに落胆するなよ』

「じゃあ、何？」

一気に興醒めした俺は適当もいいとこ… 投げやりに言った。

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