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遼「よっしゃ……
ほな、頼むわ。」
クー「また強くなってるんでしょ?
アル君、気を引き締めていくよ!」
アル「は~い!」
クー達に声をかけて、城の鍛練場にやってきた俺は、先ず睡眠を十分に取った事で、底上げされたという、自分の力を試してみたかった。
そこで、クーとアルにお願いしたのは、本気で俺を殴ってくれというもの。
もちろん、タダでというわけにはいかないが。
クー「行くよ!」
アル「うん!」
遼「こいやぁぁ!!」
駆け出した2人は、大きく拳を振りかぶる。
そして、自身の間合いに入った時に、思いっきりその拳を振り抜いた。
ゴガッ!
バギャッ!
遼「……なんじゃあ、そのひよこパンチは。
本気で来いって言うたやろ?」
クー「うっそ!?
痛くないの?」
アル「ぃった~~……ッ!」
俺の、左右の頬骨にヒットした2人のパンチ。
しかし、痒みしか残らない後味の、小学生のパンチを喰らった様な感覚の俺とは裏腹に、痛がっているのは、どう見ても、クー達の方である。
クー「明らかに防御力上がってんじゃん。
反則だよ。」
アル「クー兄、小指折れちゃった……。」
俺を殴った際に折れたという、アルの小指をクーが治してる間に、俺は手を握ったり開いたりしながら、感覚を掴もうとしていた。
クー「はい、治ったよ。」
アル「ありがとうクー兄!
はぁ、冷や汗かいた。」
クーが治療を終えたようだ。
右手の拳を硬く握り、ニヤリと笑う。
クー「アル君、あの拳骨は避けなきゃダメだよ。」
アル「お父さんの拳骨……
絶対いや!!」
遼「上手く避けろよお前らぁ!」
そして俺は、近距離転移で一気に2人の正面へ移動し、拳を振りかぶる。
「「ッ!?」」
遼「せーのッ!!」
クー「アル君しゃがんで!」
アル「うわぁ!?」
ブオオオン!
俺の右フックは、2人がしゃがんだことにより、空を切る結果となった。
クー「何、その風切り音!?
変態じゃん!」
アル「こ、こわかった……。」
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