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車を発車させた俺が、先ず向かいたいのは、アパレルショップ。
ミユウからの情報によると、10代の女性からの人気を集めている店が、王都にあるらしい。
だいたいの場所は、教えてもらっていたので、すぐにその店は見つかった。
俺は、店の前に車を停めて、2人を連れ、店内へと足を進めた。
「いらっしゃいませー。」
若い女性スタッフが笑顔で出迎えてくれる。
店内を見渡すと、客の姿は少なく、今は空いているようだ。
遼「ちょい、お姉ちゃん。
この2人に合う服、選んだってくれや。」
声をかけた店員に、肩を組みながら指示を出すと、快く承諾してくれた。
セレナ「え、いや、お金持ってきてないですよ!?」
アイナ「そうよ、別にこれでいいわよ。」
遼「お前ら、仮にもこの俺と一緒に居るんやぞ?
お洒落くらいしてもらわんと、こっちが困るんや。
お姉ちゃん、頼むわ。」
「畏まりましたー。」
反論する2人に、どうしていいか分からず戸惑っていた店員に、再度俺が指示を出すと、笑顔で服を選びにいった。
俺は、店員が服を選んでいる間、店内を散策する。
遼「あ、パンプスとかあるやん。
最近、みんなお洒落になってきてるよな~。」
俺が、この世界にやってきた時は、ここまでお洒落な服はなかったのに、最近はものすごいスピードで、お洒落な服が増えてきてる。
「その靴、パンプスって言うんですかー?」
どうやら向かい側で、服を選んでいた店員が、俺の独り言を聞いていたらしい。
遼「せやで~。
てか、知らんのに売ってたん?」
「アハハー。そうなんですよー。
最近は、みんなそれ履いてますよー。」
遼「本真や。お姉ちゃんも履いてるやん。」
「可愛いでしょー?ここのリボンがアクセントなんですよー。」
知らんのに売るとか、問題やろ……。
とか思いつつも、楽しくお姉ちゃんと会話していると、俺とは別に、店内を見ていたアイナとセレナがやってきた。
「あ、ちょうどよかったー。
試着室へどうぞー。」
セレナ「え、でも……。」
「遠慮しないで下さいー。
試着だけなら、タダなんでー。」
アイナ「それもそうね。
セレナ、行くわよ。」
まだ遠慮しがちなセレナを、アイナが試着室へと連れていく。
「ごゆっくりどうぞー。」
2人に、選んだ服を手渡したお姉ちゃんは、試着室の扉を閉めて、2人の脱いだ靴を揃えた。
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