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「あのー、ちょっと聞いていいですかー?」
2人の、着替えが完了するのを待っていると、俺の横に立っていたお姉ちゃんが、喋りかけてきた。
遼「ん~?」
お姉ちゃんの方を振り向くと、そのお姉ちゃんは、まじまじと俺の服を見ていた。
「あの、もしかして、総督ですかー?」
遼「おぅ、せやで。」
「あ、やっぱりー!?
こんな格好してる人って、他にはいないですもんねー!」
俺が総督だと分かるやいなや、目をキラキラさせて、俺の私服を触ってくるお姉ちゃん。
セクハラもクソもあらへん。
「これ、どこで買ったんですかー?」
遼「これ全部、自分の店で買ったで。
俺、一応WINGで社長もやってるから。」
「え、WINGの社長って、総督のことだったんですかー?
実はー、最近流行ってるこういった服とか靴も、高ランクギルド員の方達の、着てる服を参考に作られてるんですよー。
もしかして、あの服ってWINGで販売してるんですかー?」
遼「売ってるでー。
値段はこんなに安くないけどな。」
「やっぱり生地の違いですかー?
市販のやつとは、手触りが全然違いますー。」
お姉ちゃんと語り合っていると、着替え終わった2人が、試着室から出てきた。
アイナ「どう?似合ってる?」
セレナ「これ、ちょっと……足出しすぎじゃないですか?」
遼「ワオ☆
2人とも最高!
流石やな、お姉ちゃん。」
「ありがとうございますー。
あ、じゃあお二方、後ろ向いて下さいー。」
そう言って、お姉ちゃんは、服についている値札等を、持っていたハサミで切り落とした。
遼「ほな、そろそろ行こか。」
俺が、そのまま出口へと向かうと、アイナとセレナが、呼び止めてきた。
アイナ「ちょ、ちょっと待ってよ!」
セレナ「着替えるまで待って下さいよー!」
そんな2人に、店のお姉ちゃんは、紙袋を手渡した。
中に入っているのは、2人がここにくるまで着ていた服や、靴が。
「お買い上げ、ありがとうございましたー!」
「「え、え!?」」
遼「ほら、早よ行くでー!」
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